倉庫番を作ったのが1981年。
いや、もう少し前だったかな。
個人で作って、知り合いや家族に解かせては、その悩む姿にほくそ笑んでいた。
会社を作る前のことだ。
だから、その時はまだラビくんという名前はない。
ラビくんという名前は、その後シンキング・ラビットという会社名から安易に取ったものだ。
何が安易って、これほど安易なネーミングはないだろう。
思い返すも他に何かあるだろう。
後の事だが、あるメーカーが倉庫番を移植した時、形助(かたすけ)という名前にされたことがあった。
片付けるから、形助というのも安易だが、ラビットからのラビよりマシかもしれない。
違和感はあるが、会議で悩んだ末の結果であろう。
それがどんなメンバーだったかは想像に難くない。
なんたって形助だ。

やがて、ラビくんという名前は私の分身になった。
さて、そうなると、私は倉庫職人であり、片付けるラビくんであり、会社名でもあり、会社社長ということになる。
自分で、倉庫番を考えて、自分で面を作って、自分で解いて、自分で売っていたのである。
自家撞着もいいところ。
これでは、まるでミステリー「シンデレラの罠」じゃあないか。
『私はその事件で探偵です。また証人です。また被害者です。そのうえ犯人なのです。』というアレだ。
そういえば、この作品名を倉庫のタイトルにした覚えがある。(倉庫番Touch ファーストステップ#4/02)
まあ、小説ほどトリッキーではないことだけが心残りである。
今となっては遅いが、これも安易に名前をつけるんじゃあなかったと反省している。

ここまで書いておいて、ラビくんの名前といい、倉庫のタイトルといい、安易この上ないことに気づいた。
わっ、そういえば倉庫番エディターを考えたのも、人に倉庫面を作ってもらって儲けようという安易な考えだった。
そうだったのだ。自分の人生は安易の上に成り立っていたのか。(木枯らしヒュ〜)

調べてみた。
あん い [1] [0] 【安易】( 名 ・形動 ) [文] ナリ
①困難がないこと。たやすいこと。また,そのさま。 「 -な問題」
②特別な工夫や努力のないこと。深く考えないこと。また,そのさま。 「 -に流れる」 「 -な発想」 「 -に過ぎる」
[派生] -さ ( 名 )

ん?努力せずとも、たやすい?
これって天才のことじゃあないか、私は天才だったんだ。
と安易に考える私であった。


せっかくなので本を紹介。
セバスチアン・ジャプリゾ 『シンデレラの罠』
シンデレラの罠s
古い方のカバー(右)も載せておいたぞ。